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仕上げ方

ビシャンで仕上げている姿の画像

石材は仕上げ方によって表情がガラッとかわります。
割肌、ノミ切り、ビシャン、こたたき、サンダー、磨き、彩色のようにいろいろな仕上げがあります。
仕上げ方法による見た目の違いを紹介します。

割肌

割肌の間知石の画像

割り肌は、仕上げ方法というよりは手を加えずに、原石の肌をそのまま生かす方法です。
お城の石垣や、お墓の舞台に岩組みとして使われることが多いです。彫刻ではきつねや狛犬の台座を間知石で作ることがあります。
伊達冠石や根府川石など、石の肌と中の色が極端に違う石などは、あえて自然の肌を残して彫刻します。彫った部分だけを磨きや細かいビシャンなどで綺麗に仕上げ、その違いで楽しむことができます。

ノミ切り仕上げ

ノミ切り仕上げの羅漢の画像

ノミ切り仕上げは、むしり仕上げやみしり仕上げと呼ばれることもある、ノミとセットウ(かなづち)で仕上げる方法です。
あまり細かい細工には向きませんが、ノミ切りで仕上げると野暮ったい雰囲気が出て、やさしい表情に仕上がります。

ビシャン仕上げ

ビシャン仕上げの羅漢の画像

細かい刃がたくさん付いた、ビシャンという工具を使った仕上げ方法です。
ノミ切りほどではありませんが、石の良さを残した仕上げです。表面の凹凸がノミ切りより細かくなり、上品な仕上がりになります。

コタタキ仕上げ

小叩き仕上げの画像

コタタキ仕上げは、ビシャンで叩いた面をさらにコタタキ(両刃ともいう)という道具で細かく叩いていき、きれいな線状のタタキ目をつけて仕上げる方法です。
コタタキは一番手間のかかる仕事ですが、その分上手にタタキ目がつくと、とてもきれいな仕上がりになります。
昔の灯篭や墓石などによく使われています。

サンダー仕上げ

サンダー仕上げの観音画像

電動グラインダーにダイヤの粒のついた円盤状のカッターを使い、石の表面を擦って仕上げる方法です。
石を叩く仕上げではないので、他の仕上げより角を出すのは容易になりますが、機械加工の跡が残りやすく、うまく仕上げないと安っぽく見えてしまう場合もあります。
しかしきれいに仕上げるとシャープな線が出やすく、メリハリの効いた作品に仕上がります。

磨き仕上げ

磨き仕上げのきつね画像

墓石などによく使われる仕上げ方で、順番に目の粗い砥石から目の細かい砥石までかけていく仕上げです。
現在は墓石のような広い平面を磨くときは、機械の上に載せて仕上げるのが普通です。
彫刻作品では、現代彫刻や、石の色を濃く出したいときなどに用いられます。

彩色

彩色してある狛犬画像

石製品の着色には大きく分けて2種類あり、ひとつは全体に同じ色をかける。もうひとつは部分ごとに色を塗っていくという方法です。
灯篭や水鉢、ノミ切り仕上げの彫刻品などは、全体に茶色っぽい色をかけたほうが落ち着いて見える場合があります。
部分的に色をつけるのは舟形地蔵や、狛犬などに見られますが、色はしだい薄れていき、剥げてしまうとあまり見た目がよくありません。
石製品は外に置くのが一般的なので、風雨にさらされるのを前提に制作します。
そのため、色をつけるときは全体にかけて、色が落ちてきても自然に見えるように工夫する必要があります。

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